※現在NOCTOでは
α用マウントアダプタへ
電子チップの取付けは受け付けておりません。
マウントアダプタ改造の記事第三弾です。
第一弾と
第二弾の記事はこちらのリンクからご覧下さい。
ざっくり言うと、
●第一弾
中国製の電子接点付きアダプタを買ったけど、2個とも精度が悪く使い物にならなかったので、近代のアダプタにチップを移植してもらった話。
●第二弾
80mmのレンズを購入し、手ブレ補正の恩恵を得るために50mm以外のデータが入ったチップが欲しくなり、80mmF2.8のチップを入手して新たに別のアダプタに取り付けした話。
ってな感じです。
第一弾⇒F値固定、焦点距離固定
第二弾⇒F値はダイヤルで変更可能(絞り連動は当然しません)
そして今回の第三弾では、複数持っているレンズそれぞれに適合した焦点距離とF値の入った電子接点付きアダプタを用意したくなりましたが、焦点距離ごとにアダプタを何個も用意できるか~!ってことで、1個の電子接点付きアダプタに「20mmF2.8、28mmF2.8、35mmF1.8、50mmF1.1」の4種類のデータを入れて使いまわすことにしました。
アダプタ・電子接点はそれぞれ第二弾と同じところから取り寄せました。取り付け加工は
ブリコラージュ工房ノクトで実施。色々あって、紆余曲折の上半年かかって完成しました(^^;;;
さて、この新しい複数情報の入った電子接点。4種類のレンズ情報が入れてありますが何も操作をせずに使うと50mmF1.1として認識されます。
値の切り替え方法ですが、コツもいるのでちょっと面倒ですが……以下の手順で切り替えます。
1)電源を切り、フォーカスモードはMFにする。
2)レンズを外し、一度電源を入れ、レンズなし状態を確認させたら電源を切る。
※ここから10秒以内の作業になります※
3)アダプタをボディに取り付け、電源を入れます。
4)すばやくレリーズボタンを半押しします。
この際半押しした回数で入っているレンズ情報が順番に切り替わります
切り替わったかどうかは、
α900の場合レリーズボタン脇の液晶を見ているとF値が動くのでわかります。
そして確認は……とりあえず一枚切ってみて、カメラボディでデータを表示させる際に付随情報も表示させます。
α100ではレンズ焦点距離情報まで表示されないみたいなのでわかりませんでした(汗)
上記の手順でも書いていますが、始める前におまじないをしたほうが良さそうです(一旦カメラにレンズがついていない、もしくは別のレンズを取り付けて頭をリセットしてやる)。
また、カメラの電源を切った状態で数時間するとチップはデフォルト状態に戻ってしまいます。
前の晩セットして、そのまま翌日撮影を始めると50mmになっていたりするので、撮影前に上記作業を行うほうがいいみたいです。
で、はっきりいってかなり面倒くさいです(苦笑)
ただまぁ、このアダプタのおかげで20mm~50mmはこのアダプタ1つあれば済むので、懐にやさしいというメリットはあります。
と言うわけで、財力モリモリの方にはオススメしませんので、必要な数だけチップ違いのアダプタを作って下さい(^^;;
最後に、初めて「マウントアダプタ」を使ってみようかな?という人のために、マウントアダプタについて私なりの説明をしておきます。
既にマウントアダプタ遊びをされている方は読み飛ばして下さい。
マウントアダプタとは異なるメーカーのボディとレンズを取り付けられるようにするパーツです。
たとえば私の場合は
α900に
M42マウントのレンズを取り付けるためにアダプタを使います。
ただし何でも取り付けができるわけではありませんし、使用上多数の制約があります。
これらを理解したうえで使うことで、楽しいオールドレンズライフが約束されます(大げさ)。
まず、カメラの設計上で非常に重要な値に「フランジバッグ」と言うものがあります。
これはフィルム面(デジカメの場合はセンサー面)からレンズマウント面までの長さです。
各社ここの長さが異なるため、取り付けが可能な場合と不可能な場合が発生します。
SONY/
MINOLTA αはPENTAX KやCONTAXより若干短いですし、Canon EOSはCONTAXやNikon AIより短いんです。
つまり、フランジバッグの短いボディなら、フランジバッグの長い機種用のレンズをアダプタ経由で取り付けられる可能性が出てきます。
したがって、
M42レンズをNikonボディで使おうと思っても、Nikonのフランジバッグは
M42よりも長いため無限遠が出ません(近接撮影限定で使うか、補正レンズの入ったアダプタを使う=テレコン状態なので嬉しくない)。
また、CanonのFDレンズや
MINOLTAのMDレンズなどはそのマウントの機構や絞り連動機構の構造がネックになり取り付けできない場合が多いです。
もっと言うと、ミラーがないレンジファインダーカメラ(ライカなど)のフランジバッグはとても短いため、一眼レフで使おうと思ってもマウントアダプタではほぼ不可能です。
※マイクロフォーサーズのカメラならミラーがなくフランジバッグが短いため、取り付けが可能な場合があります。
そんなわけでマウントアダプタは万能のようでもカメラとレンズの組み合わせは限られます。
どうしてもの場合はレンズのマウントそのものを改造する手があります。これについては
ブリコラージュ工房NOCTOを参照して下さい。
次に数ある使用上の制約についてです。
アダプタ自体はフランジバッグとマウントの互換性を整えるための鉄板でしかありません。当然電気的な回路は入っていませんし、機械的な連動機構も持ち合わせていません。
と言うわけで、
●AFは機能しません。
●AEは基本的に機能しません(一部機種では実絞りの絞り優先オートが可能です)。
●自動絞りは動作しません。常に実絞りで使う必要があります。
根本的に「取り付けできるだけ」と考えて下さい。
※一部の機種でですが「レンズなしでのレリーズを許可しない」ものはシャッターが切れません。
実絞りでの撮影・測光が原則となるため、例えばF8で撮りたい場合ファインダーは真っ暗になってしまい、室内などではピントあわせは至難の業と言えるでしょう。
そして
αの場合、レンズ側からレンズ情報をボディに渡さないと手ブレ補正機能は稼動しません。
また、現代の一眼レフカメラは開放測光を前提に作られているため、実絞りでの測光では出目が明るく仕上がってしまう傾向があります。
実絞りで絞り優先オートが使える機種(EOSなど)でも撮影には勘所が必要になってきます。
最後に電子接点について。
ここ数年でかなり出回った感のある電子接点付きアダプタ。これがあることで
●AFアシスト機能が利用できる(AF自体は駆動しませんが、フォーカスエリアを選べたり、そこでピントが合ったときに合焦マークが点灯したりします)。
●絞り優先オートが使えるようになる(電子接点なしでも使える機種はありますが、αはないとマニュアルモードでの撮影になります)。
●ボディ内手ブレ補正機能が使えるようになる(PENTAXやOLYMPUSは電子接点がなくても利用できます)
●EXIFにレンズ情報やF値情報が残る。
●一部の機種では古いレンズや他社のレンズが使えるようになる。
などのメリットがあります。
特にαについては上記の手ブレ補正機能が使えるようになるという大きなメリットがあります。
ただしズームレンズに対応した電子接点はいまだ見たことがありません(レンズ側の回路と連動する必要があるので難しいでしょうね)。
こんな不便で難儀してまでなぜアダプタを使うのか……それは古いレンズの描写にほれ込んじゃったり、純正じゃないレンズだけどどうしても使いたいなどの理由からです。
テーマ : ★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル : 写真
タグ : SONY MINOLTA α ソニー ミノルタ アルファ M42 スクリューマウント 電子接点付きマウントアダプタ 電子マウントアダプタ
2009/08/31 15:00 |
★マウントアダプタ
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